旅行をする際に、スーツケースを一つもっているととっても便利。
旅行だけでなく、実家に帰省する際にも、半分カラで持って行って、実家からごっそり食料をもらってくることもできる。
ただ、スーツケースは種類が多すぎて、どれを選んだらいいか本当に迷ってしまう。
つい目についた安いスーツケースを安易に選びがち。
それで、後悔することも。
ここでは、自分の体験から、どうやってスーツケースを選んだらいいのかをまとめておきたい。
Contents
スーツケースの大きさ(容量)と宿泊数の関係
スーツケースの容量は、「リットル」で表される。
スーツケースの老舗メーカーのサムソナイトによれば、旅行の日数とスーツケースの容量の目安は以下のとおり。
宿泊数 | 容量 |
1~3泊 | 20~40リットル (機内持ち込み可) |
3~4泊 | 40~60リットル |
4~7泊 | 60~90リットル |
1週間以上 | 90リットル以上 |
上記のような宿泊数と容量の関係はあくまでも参考で大丈夫。
自分がどのような旅行で、どのような荷物構成にしたいのかによって、どうにでも調節できる。
ちなみに自分は、1~3泊とされている35リットルサイズのスーツケースで2週間の海外旅行へ行ったことがある。その荷物の少なさに、現地の人が驚いていた。宿が一緒になった別の国から来ていた人は、「引っ越しか?」と思うほど荷物が多かった。
そのときは、スーツケースのほかに、洗面用具やカサ、小物などを入れたトートバッグ、貴重品を肌身離さず持ち歩くためのショルダーバッグも併せて持って行ったけれども。
自分が小さいスーツケースを選んだ理由は2つある。
2 荷物をできるだけ軽くしたかった
ただし、スーツケースが小さい分、荷物の取捨選択と計画が大切。
現地に行って、どうしても必要で困るものは、観光地ならたいてい現地で買える。
と、割り切った。
厚さを調節できるエキスパンド機能
小さめのスーツケースを選んでも、「エキスパンド機能」があれば、結構、余裕ができる。
エキスパンド機能とは
「エキスパンド機能」とは、荷物が増えてきたときに、スーツケースの厚さを増やせる機能。使わなければ通常のスーツケース。旅行先で思いのほか、買い物をしてしまって、「明日帰国なのに荷物が入らない!」、というときに、エキスパンド機能を使えば、厚さが増して、入る量を増やすことができる。
機能は便利だけれど、デザインの好き嫌いが分かれそう。
「大は小を兼ねる」というばかりに、最初から大きめを選ぶ前に、エキスパンド機能つきのスーツケースを選択肢のひとつにするのもよさそう。
帰ってきてからのスーツケースの置き場所も見越しておきたい。
スーツケースの選び方1:宿泊数と、自分の荷物の量との関係を把握する。
スーツケースを機内持ち込みするの?しないの?
スーツケースは、旅行全般に使える。
国内、海外旅行でも、スーツケースは活躍する。
スーツケースの選び方として、海外旅行で、飛行機に乗る状況を想定すると、ある程度選びやすくなる。
機内持ち込みできるスーツケースの大きさ
スーツケースでも、機内持ち込みできる大きさがある。
以下は、ANA(日本航空)のサイトから。
Q. 【国際線】機内に持ち込みが可能な手荷物の個数、サイズ、重さはどのくらいですか。
A. 3辺(縦・横・高さ)の和が115cm(45インチ)以内 かつ、
3辺それぞれの長さ55cm×40cm×25cm(22×16×10インチ)以内*上記には付属品(キャスター・ハンドル等)を含みます。
*小型機(座席数100席未満)の場合、収納スペースが限られる為、サイズが異なります。
3辺(縦・横・高さ)の和が100cm 以内かつ3辺それぞれの長さ45cm × 35cm × 20cm (18 ×14 × 8 インチ)以内
航空会社によって、多少違うかもしれない。
搭乗する航空会社の規定をしっかり確認しておきたい。
スーツケースを機内持ち込みにするメリット
もちろん、機内持ち込みできる大きさのスーツケースであっても、預けることができる。
でも、機内持ち込みすると、到着したときに、荷物が出てくるのを待たなくていいので、時間の節約になる。
また、自分の目が届くところにあるので、防犯上安心できる。
海外への個人旅行で、もし荷物が行方不明になったりすると、とにかく面倒くさい。
【解決方法】旅行会社を使った旅行なら、添乗員さんや、現地スタッフさん、旅行会社に、助けてもらえる。
スーツケースを機内持ち込みにするデメリット
飛行機の客室は、座席上部に荷物入れがある。
小さなスーツケースでも、ギュウギュウに荷物を詰め込むとかなり重い。
そんな重いスーツケースを頭の上まで持ち上げ、座席上の荷物入れに収納するのはかなり大変。
【解決方法】たいていは、席が近い親切な男性の乗客や、客室乗務員が手伝ってくれる。
スーツケースの選び方2:機内持ち込みするのか、しないのか。
本体の軽さがとにかく大事
スーツケースはある程度の大きさが確保されるため、たくさん荷物が入る。
イコール、どんどん重くなる。
下着、服などの布類は、できるだけ小さく折りたたんだり、衣類圧縮袋を使ったりすると、小さめのスーツケースでもかなり入る。
半分カラで持って行っても、帰りはお土産など、現地で買った物でさらに荷物が増える。
もうこれ以上入らない!
と、思っても、フタを閉めてから体重をグイグイ掛けると、まだまだ入りそうな余裕を見つけることができる。
その分、また重くなる。
とにかく、何も入っていない状態で、できるだけ本体が軽いスーツケースを選ぶのが一番大事。
通販で購入する場合、値段に引かれても、本体の重さが書かれていない商品は、避ける方が安全。
スーツケースの選び方3:本体の軽さ。
その他、スーツケースを選ぶときには、本体の素材、ロック形式、キャスターも選ぶ基準になる。
一つ一つチェックしていこう。
スーツケース本体の素材はソフト/ハード?
スーツケースには、ソフト素材とハード素材がある。
どちらにも一長一短ある。
以下の表はソフト素材とハード素材の比較。
素材の種類 | メリット | デメリット |
ソフト | 本体が軽い | ・要は布なので、本体が鋭利な刃物で切れる ・比較的価格が安い商品もある ・デザインに好き嫌いがある |
ハード | 本体が重い | ・本体を切られにくい ・価格が高め ・カッコイイ |
ソフト素材もハード素材も、どちらも一長一短ある。
スーツケースの選び方4:素材を決める。本体が傷つけられ、中身の盗難に遭うことを心配するのなら、本体ごとそのまま持ち去られたら結果は同じ。だから、素材がソフトだろうとハードだろうと、どっちもどっち、と、割り切る決断力が大事。
ロック形式
スーツケースを閉じる部分にも、種類がある。
フレームタイプとファスナータイプの二種類。
フレームタイプは、閉める部分の素材が本体と同様に堅い素材でできていて、パチンと閉まる。
一方、ファスナータイプは、その名の通り、スーツケース用の頑丈なジッパーでフタを閉めることになる。
ロックのタイプ | メリット | デメリット |
フレーム | 頑丈 一瞬で開閉できる |
重い |
ファスナー | 軽い | フレームタイプより開閉に時間が掛かる。 ファスナーの両脇が柔らかい素材なので、鋭利な刃物で切れる。 |
鍵を掛けるには?
フレームタイプでもファスナータイプでも、鍵は掛けられる。
各メーカーがいろいろな施錠方式を採用している。
自分が購入したスーツケースはダイヤル式だった。
施錠するには、まず自分で好きな番号を決めて、ダイヤルを合わせる。
その後、閉めるときは、数字をバラバラにする。
解錠するときは、最初に決めた番号に数字を合わせる。
TSAロックについて
さらに、最近、標準搭載になりつつあるTSAロックも確認しておこう。
「TSAロック」とは、アメリカ合衆国で採用されている施錠の形式。
セキュリティが厳しいアメリカの空港で、「TSAロック」以外でスーツケースが施錠されている場合、必要があれば、荷物検査担当職員がスーツケースの鍵を壊し、中身を確認する。
なので、アメリカへ行く場合、航空会社に荷物を預けるとき、TSAロックがないスーツケースは鍵を開けたままにしなければならない。
TSAロックがスーツケースについていれば、たとえ施錠してあっても、担当職員が所持しているTSAロック用の鍵で解錠できる。つまり、旅行者はスーツケースに施錠してから、預けることができる。
万一、中身のチェックを受けるとしても、TSAロック搭載のスーツケースなら、担当職員は専用の鍵を持っているので、スーツケースが破損することはない。
最近のスーツケースはTSAロック対応商品が多い。
当面、アメリカに行く予定がなかったとしても、きちんとしたメーカーのスーツケースは耐久性が高い。何年か経って、アメリカに行くかもしれない。
そのときに、解錠したまま航空会社に預けるのか、TSAロック対応のスーツケースに買い換えるのか、という選択が生じる時が来る。
TSAロックがあるスーツケースを最初から選ぼう。
スーツケースの選び方5:フレームタイプでもファスナータイプでも、鍵が掛けられるかどうかはチェック。さらにTSAロック搭載が断然おすすめ。
キャスター
個数4個
今売られているほとんどのスーツケースには、キャスター(車輪)が4つついている。
昔、自分がアメリカで購入したサムソナイトは、車輪が2個しかないデザインだった。だから車輪2個分、他のスーツケースより軽かったと思う。
スーツケースを引いているとき、使っている車輪はたいて2個なので、車輪2個でも問題はない。
と、当時思っていたし、そういうスーツケースを引く姿がかっこいいと思っていた。
ただ、実際に使ってみると、押すことができなかったので、非常に使いにくくて後悔した。
キャスター2個のスーツケースは、今どきあまりないと思うが、キャスター4個は必須。
サイレント設計
また、キャスターでも、サイレント設計を選ぶ方がいい。
アスファルトの上をスーツケースを引いて歩く場合、ガラガラ結構うるさい場合がある。
道行く人に振り返られるかもしれない。
特に日本国内で、深夜に帰ってくる場合、住宅地の道路を、ガラガラ高音を立ててスーツケースを引くのは、気恥ずかしい。
修理対応
スーツケースは、キャスターの消耗が激しい。荷物の重量がかかり、アスファルトのような堅くて平らではない路面と常に接触して引きずられているのだから、当然、キャスターは摩耗する。
自分のスーツケースは、気づかないうちに、道路に落ちていたティッシュがキャスターに絡んでしまった。危うく車輪交換になるところだった。
不可抗力で修理になるかもしれない、保証期間、修理対応もしっかり確認しておきたい。
スーツケースの選び方6:キャスター4個、サイレント設計、修理対応
荷物が入った状態を想定する
空港やターミナル駅で、大きなスーツケースを引いている人をよく見かけるようになった。
最近では、エレベーターやエスカレーターの設備が整えられているところが多くなってきた。
それでも、出発地から到着地まで、観光途中、そして帰ってくるときの家まで、必ずどこかで、自分自身でスーツケースを持ち上げなければならない状況が出てくる。
荷物運搬のために、誰かがつきっきりで、自分は一切スーツケースを持ち運びしないのなら大丈夫。
早めに旅行用の荷物をまとめ、自宅から空港/船まで、帰りはその逆で、スーツケースを宅配便で送るサービスもある。(有料)
もし、荷物が詰まったスーツケースを持つことが絶対にないなら、スーツケース自体の重さは考えなくてもいい。
けれども、たいていの旅行は家から一人で出発して、一人で帰ってくる。
空港から自宅、埠頭から自宅へスーツケースを持っての移動を考えてみよう。
タクシーなら、運転手さんがトランクに乗せてくれる。
しかしバスや電車のような公共交通機関を使うなら、必ず持ち上げなければならない瞬間が出てくる。
そのときに、自分でスーツケースを持ち上げるには、あまりに大きすぎる=重すぎるのは、かなり辛い。
特に旅行の場合、旅行先でいろいろな物を買って、荷物は増える=重くなるしかない。
ほとんどの飛行機会社では、荷物を無料で乗せる重量の制限を決めている。その基準を超えた重さは、超過手数料を請求される。
もちろん、上記の条件がOKなら、スーツケースは大きい方がいい。
スーツケースの選び方7:荷物が入った状態で、持ち上げて歩く状況を想定する
スーツケースの選び方まとめ
初めて買うスーツケースは、商品が多く、選ぶのに困る。
それでも、以下の基準から探すと、「これを買って良かった!」と、満足できるスーツケースが見つかるはず。
2. 機内持ち込みするのか、しないのか。
3. 本体はどれくらいの重さか。
4. 素材はハードかソフトか。
5. 施錠方法。さらにTSAロック搭載か。
6. キャスター4個、サイレント設計、修理対応は?
7. 荷物を詰めたトランクは持ち上がるのか。
ちゃんとしたスーツケースは耐久性があり、何年も使える。
用途別の買い増しならともかく、気に入らない機能があって買い換えるのはもったいない。
スーツケースのおすすめ
自分はあちこちじっくり調べて、アメリカンツーリスターの「アローナライト スピナー55」を購入した。
もともとは外国旅行のためで、機内持ち込みできる大きさを選んだ。
その後、頻繁に行き来する実家への帰省はもちろん、飛鳥Ⅱ乗船のときも、二週間の外国旅行の時もこのスーツケースを持って行った。
アローナライト スピナー55を選んだ理由と、その後、「買って良かった!」と思った点は以下のとおり。
2. メタリックなデザインがかっこいい。多色展開で好きな色があった。
3. TSAロック付。ダイヤルロックもあるので、好きな番号で施錠できる。
4. キャスター4個。「サイレント設計」とは書かれていないものの、車輪の走行音が低め。うるさい感じはしない。
5. アメリカンツーリスターは、有名なスーツケースのメーカー、サムソナイト傘下の会社だから。
6. 1万円台前半で、買いやすい値段だった。
7. メーカー保証付(6~7年の間、わりと頻繁に使ってきたけれど、表面の塗装が少しはげた以外、壊れたことがない。かなり丈夫だと思う)
8. コインロッカーに預けるときは、小で大丈夫。
女性のスーツケースは機内持ち込みサイズがおすすめだけれど、状況によっては、より大きなスーツケースの方が最善の選択になる旅行もあると思う。
飛鳥Ⅱならディナーの回数分のドレスを揃えたり、和装なら、和装で、必要な小物が多い。長期滞在になればなるほど、荷物が増える。
そんなときは、大型のスーツケースを選んで、誰かに持ち運んでもらえば大丈夫。
たとえば飛鳥Ⅱなら、乗船するときは自宅から船室まで、そして帰るときは、船室前から自宅まで宅急便が運んでくれる。(有料)
自宅を出る瞬間から、身軽に豪華客船の旅を始めることができる。
飛行機なら、宅急便で空港まで持って行ってくれるサービスがある。
つまり、大きくて重いスーツケースを選んでも大丈夫な方法はある。
長く愛用できるスーツケースが見つかりますように。